<日本ハム9-1ロッテ>◇7日◇東京ドーム

 珍しくホームランボールを手に入れた。5年ぶり日本球界に復帰したロッテ井口資仁内野手(34)が、復帰1号を満員のロッテファンで埋まった左翼席中段へ運んだ。その打球を捕った観客に、自身のバットと交換してボールを返してもらった。「150号より全打順ホームランの方がうれしくて。久々に良かったなという感じ」と笑みがこぼれた。

 日本ハム戦の2回先頭。多田野の初球、甘く入ったスライダーを完ぺきに仕留めた。「いい形で体が反応できたと思う」と言う自画自賛の1発は、日本のレギュラーシーズンでは04年9月23日の日本ハム戦(福岡ドーム)以来1657日ぶりとなる、通算150号の節目のアーチとなった。さらに「4番」で本塁打を打ったことで、02年の五十嵐(近鉄)以来史上7人目となる「全打順アーチ」も達成した。

 ダイエー、メジャーを通じて公式戦で4番に座ったことはなかった。だがロッテ入り後、外国人の大砲不在というチーム事情もありオープン戦から4番を任された。「最初は大丈夫かなと思ったけど、4番目の打者と割り切ったことで吹っ切れた」。記念のボールは、井口の努力を側で支えてきた父三夫さん(61)にプレゼントするという。【鳥谷越直子】

 [2009年4月8日9時38分

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