世界ユース金&アマ9冠の「ザ・キング」ことルーキー藤木勇我(18=大橋)が豪快なTKOデビューを披露した。WBOアジア・パシフィック・スーパーフェザー級15位ウィラ・ミカム(28=タイ)との59・9キロ契約体重6回戦に臨み、2回2分5秒、TKO勝ちを収めた。傷一つない顔でインタビューに応じた藤木は「本当にこんなにお客さんにみられての試合は初めて。すごく気持ち良かった」と口にした。
1回、強烈な左ジャブでよろめかせ、右ストレートで後退させた。2回にも右ストレート、左ボディーを効果的に打ち分け、タフなウィラを追い詰めた。さらに右アッパーも駆使。最後は右ストレートからの連打でロープ際に追い詰めたところでレフェリーストップとなった。藤木は「ほっとしています。チケットも完売で良いデビュー戦になりました。昨日の計量からさらに気合が入った」と大物感を漂わせた。
藤木は「自分のやろうと思っている階級は地域タイトルがすべて日本人。スーパーフェザー級は日本で盛り上がっている。まずは地域タイトルのどれかがとれたらと思う。必ず世界王者になる」と抱負を口にした。
中学時代から「未来の怪物」「浪速のモンスター」と注目されてきた逸材だ。興国高で全国大会にすべて優勝し、25年の全日本選手権も制覇した。最近の高校生の全日本Vは前WBOアジア・パシフィック・フェザー級王者藤田健児(帝拳)、4団体統一スーパーバンタム級王者井上尚弥(大橋)、アマ13冠のWBA世界スーパーフェザー級5位堤駿斗(志成)と数少ない。アジア・ジュニア大会、U-19世界選手権でも金メダルを獲得しているアマ無敗の超高校生。年齢的には28年ロサンゼルス・オリンピック(五輪)を狙える立場にあるものの、プロ転向を決断した。
大橋会長から「史上最高の逸材」と表現される。「1番、自分が成長できる環境だと思った。井上尚弥さんの活躍をみて、早くプロで戦いたいと思った」とプロ志向の強さを決め手としていた。大橋会長は「軽量級では井上尚弥がほとんどやり尽くしたと言っても過言ではない。日本ボクシング界を最高潮の人気にするには中量級、重量級の戦い。その1番手が藤木勇我」と強調している。
愛称の「ザ・キング」は大橋会長が命名。アジアと世界のユースで優勝していることから「優勝=キング」から名付けられた。高校時代から「規格外」の強さに米老舗専門誌ザ・リングでも異例のインタビューが掲載されるなど、海外からも注目されている存在。「モンスター」井上尚弥に続き、次世代の大物として「ザ・キング」がプロの船出を飾った。【藤中栄二】
◆藤木勇我(ふじき・ゆうが)2007年(平19)12月25日、大阪市生まれ。元プロボクサーの父の影響で小学1年から兄とともにボクシングを開始。興国高で出場の全国大会(高校選抜、高校総体、国体)6回をすべて制覇。23年アジア・ジュニア、24年のU-19世界選手権で金メダルを獲得しアマ9冠。アマ戦績は49勝(33RSC)無敗。趣味はサウナ。家族は父直樹さん(52)、母亜矢さん(46)、兄勇利(20=東農大2年)。身長170センチの右ボクサーファイター。血液型はA。

