激闘王が日本から4人目の3階級制覇を成し遂げた。IBF世界ライトフライ級8位八重樫東(32=大橋)は足を使って右ストレートでリードし、強打の王者ハビエル・メンドサ(24=メキシコ)を圧倒。ダウンこそ奪えなかったが、ジャッジ1人がフルマークと大差3-0で判定勝ち。1年前に調整失敗でKO負けも同級にこだわり、再挑戦で雪辱してみせた。

 勝者がコールされた瞬間、大橋秀行会長は両拳を突き上げて、リングになだれ込んだ。愛弟子の王座返り咲きに喜びを爆発。「積み重ねの勝利。3階級制覇した中で一番うれしい。あきらめず、こつこつやってきたからまたこういう日を迎えられた」と拳を握った。

 試合に向け、勝利を願った会長なりの験担ぎがあった。所属選手、トレーナーが試合会場で着るチームジャージーを、八重樫がフライ級で世界王座を獲得した時の赤一色のモデルに戻した。昨年末に「赤・黒」のモデルを新調も、その試合で八重樫はKO負け。「今回は全員、真っ赤でいくからな-」。12月中旬、練習前にそう伝えると、八重樫もすべてを理解した。

 練習への姿勢、実直な性格は、ジムの後輩たちの手本となってきた。大橋会長は「あいつがいたから、今の大橋ジムがある」と言う。師弟の絆は、再び大輪の花を咲かせた。会見が終わると、真っ赤なジャージーを着た2人が、がっちりと握手した。【奥山将志】