元世界5階級制覇王者ノニト・ドネア(34=フィリピン)が26日、横浜市内の横浜光ジムで「熱血指導」を行った。

 プライベートな来日に合わせ、親交のある日本バンタム級王者赤穂亮(30)の所属ジムを訪問。4回のスパーリングに加え、ミット打ちでは受け手となった。

 14年冬にフィリピン・セブ島での合宿で1カ月間を共にしたという2人。久しぶりにリング内で拳を交えた。ドネアは初回にいきなり鋭い左フックを見せると、最終4回には激しい打ち合いも披露。本格的な実戦練習は「数カ月前に4ラウンドを2回やっただけ」というブランクがあったが、「体が温まってきた」という3回以降にはアジア人初の5階級制覇を成し遂げた実力の片りんを見せつけた。

 すり上げるようなアッパーをくらった赤穂は、「鼻がもげるかと思った」と振り返りながらも充実の表情。「僕のアイドルはドネア選手だけ。日本で一番試合を見ていると思う。打ち終わりにリターンが返ってくるので、隙を見せたらやられる。セブ島での感覚がよみがえりました」と大いに刺激になった様子。日本タイトルの初防衛戦は8月5日(後楽園ホール)に控えるが、「次の試合うんぬんではなく、三度目の正直に向けていくだけ」と過去2回の世界挑戦失敗の雪辱を果たす、3度目の世界タイトル戦を目指す。

 昨年11月にWBO世界スーパーバンタム級王者から陥落したドネアは、夏ころに再起戦を計画する。敗れたマクダレノ(米国)との再戦の可能性を聞かれ、「負けた相手とやりたい気持ちはあるが、無理に追ったりはしない。良いチャンスがあれば」と、フェザー級に階級を上げることも示唆した。