ベテラン戦士のマット・ブラウン(36=米国)が引退マッチで有終の美を飾った。セミファイナルに登場し、ウエルター級5分3回で、ディエゴ・サンチェス(35=米国)と激突。1回3分44秒、KO勝利でラスト戦を締めくくった。

 試合開始と同時に足を取られたが、冷静に対処。テークダウンを狙うサンチェスの足をつかんでケージに押し込み、鋭いヒジで体力を削った。ボディキックを浴びたものの、体勢を立て直して反撃。ケージ際まで追い込んだ後、右のエルボー一閃(いっせん)-。サンチェスをKOしたブラウンは「ディエゴはお気に入りのファイターの1人。もちろん大好き。何も望まないけど、彼の活躍を願うよ」とエールを送った。

 試合前に現役ラストマッチを宣言したサンチェス戦。ブラウンは「これが終わって何がしたいかもしっかり考えたい。自分がどうしたいか、人生をどうしたいか、考えたいと思っている。戦うのは好きだ。世界中でやりたいことと言えばこれだ」と吐露。その上で「でも、タイトル戦をやるファイターになりたいのか、ただファイトがしたいのか。ただ戦うのはしたくない。タイトルを争わないようになれば、きっと戦うこともないだろう」と引退を決めた理由を口にした。

 「ジ・イモータル(不死身)」の愛称で持つブラウンは、観客から最高の拍手を浴びてオクタゴンを去った。