10月31日にプロレスラーを引退し、レフェリーとしてデビューすると発表した大仁田厚(60)が12日、群馬県伊勢崎市で開催された、宿敵の故ミスター・ポーゴさん(本名・関川哲夫、享年66)を追悼するWWSの興行を訪れ、涙で感謝の言葉を口にした。

 大仁田はメインイベント前に、還暦の誕生日にも着た赤い革ジャンを着て来場すると、ポーゴさんの遺影を手に10カウントゴングを聞き、終わると涙ぐんだ。そしてリングを降りると、ステージ上に設けられた祭壇の前で目をつぶり、しばらくの間、手を合わせた。

 あいさつを終えた大仁田は「俺のプロレス人生の中で、この人がいなかったら今の俺はなかった。まさに盟友だった。本当に感謝しています」とポーゴさんに感謝した。そして「昨夜から、FMWの時のポーゴさんとの戦いや、最近のWWSに参戦した時のポーゴさんとの会話なんかが、何度も浮かんできてさ…。俺も還暦を迎えて引退したことの報告と、これまでのお礼と、そしてさよならを伝えました」と、祭壇に引退と別れを告げに来たと明かした。

 すかさず記者から「復帰はいつですか?」と問いかけられると、大仁田は「それはありません」と苦笑いを浮かべて会場を後にした。大仁田は12月3日に東京・新木場1st RINGで「大仁田反省会」を開催すると発表。その中で、大仁田厚プロデュース試合を開催し、レフェリーデビューを果たすことが決まっている。

 ポーゴさんは、6月22日に群馬県内の病院で腰の手術を受けた際、脳梗塞を発症し、別の病院に搬送されたが翌23日に亡くなった。伊勢崎市はポーゴさんの地元で、WWSは00年5月に自ら立ち上げた団体だった。この日の興行には、ゆかりのある選手が多数、出場し超満員の観衆が集まった。