前日本スーパーバンタム級王者石本康隆(36=帝拳)が17日、現役引退を発表した。「昨年末の試合で負った目のけがの回復具合を見ながら今後を考えた結果、現役を引退することを決断しました」とコメントした。

 昨年12月の同級王座挑戦者決定戦で中川勇太(角海老宝石)に8回判定勝ちしたが、眼窩(がんか)邸骨折を負っていた。戦績は31勝(9KO)9敗だった。

 香川県高松市出身で、中2でボクシングを始め、02年に帝拳ジムからプロデビューした。キャリア序盤での連敗なども経験しながらも地道な努力を続け、13年4月には元WBO世界同級王者ウィルフレド・バスケス・ジュニア(プエルトリコ)にマカオで判定勝ちし、WBOインターナショナル同級王座を獲得。14年5月にはIBF世界同級挑戦者決定戦でクリス・アバロス(米国)に敗れたが、世界戦まであと1歩まで迫った。

 15年12月には王座決定戦で久我勇作(ワタナベ)に判定勝ちし、35戦目、3度目の挑戦で日本同級王座を獲得した。2度の防衛に成功したが、17年2月に久我との再戦で2回TKO負けし、王座陥落していた。その時も現役引退も考えたが、再びベルトを巻くために続行を決意していた。

 名門ジムでも後輩などから慕われた人格者。「長い間私を支えてくれた帝拳ジムの皆さん、ボクシング関係者の皆様、そして最後まで応援してくださったファンの皆様、ほんとにありがとうございました。ボクシングやってきて良かったです。ボクシング最高!」と感謝の言葉を述べて、リングを去った。