ボクシングのWBA世界ミドル級王者村田諒太(32=帝拳)が、最先端技術のサポートを受けることになった。このほど衣服型ウエアラブル端末などを開発するミツフジ(本社・京都)と6社目となるスポンサー契約を結び、同社がベンチャー企業TRIART(本社・福岡)と業務提携して目指すパフォーマンス能力向上の実証実験に参加する。

 ミツフジが開発したシャツ型ウエアラブル端末「hamon(ハモン)」を練習時に着用し、心拍数などの情報を収集、蓄積、分析。スポーツ選手の能力強化、体調把握やコンディション管理に役立つシステムの開発に協力し、フィードバックも受ける。巨大データの高速処理技術を持つ九州工業大学発の企業TRIARTが加わることで、即時活用できる環境が整う。

 これまでのボクシング界では、情報技術の活用例はほぼない。村田が“実験台”になることで、新たな領域に踏み込むことになる。昨年10月に王座奪取し、4月には国内でV1戦を予定する。その先に掲げるさらなるビッグマッチへ向けても大きな支援となる。

 またシステム開発が順調に進めば、後進のためにも活用できる。今日18日まで沖縄合宿中で、15日の練習公開時には「ボクシング界へ恩恵を返したい」と話していた。技術を生かした充実の競技環境を作れれば、その思いも1つかなえられる。リング上では前人未到の偉業を成し遂げてきたが、また新たな分野での挑戦となりそうだ。