世界初挑戦となったスーパーバンタム級11位松本亮(24=大橋)が、王座奪取を逃した。接近戦のテクニックが高かった王者ダニエル・ローマン(27=米国)に最後まで試合のペースを握られた。最終12回まで戦い抜いたものの、0-3の判定負け。

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 松本は前半しのいで中盤でペースを取りたかった。松本が悪かったというより、ローマンが研究していて、何より強くなっていた。メキシカンタイプでリズムがあり、松本は的を絞りきれなかった。王者は腹もだぶついていていけるかと思った。ふたを開けたら、左アッパーのボディーから顔面など攻撃は重厚だった。王座獲得時もみせていたスイッチしての左が効果的だった。

 防御も高いガードに、頭を揺らしてパンチを外していた。松本のボディーが入っても腕を下げてひじでブロックしていた。打ち合いになっても、松本のクリーンヒットはほとんどなかった。

 王者が後半落ちて松本の手は出ていたが、いつものパワーがなかった。意識もうろうの状態だったのだろう。最後まで手を出し、気力で倒れなかったことはプラスになった。この経験を今後につなげてほしい。(元WBC世界スーパーフライ級王者)