V1達成の先に豪華プランが用意された。ボクシングのWBA世界ミドル級タイトルマッチ(4月15日、横浜アリーナ)の会見と調印式が12日に都内で行われ、初防衛戦に臨む王者村田諒太(32=帝拳)と同級6位エマヌエーレ・ブランダムラ(38=イタリア)が出席し、健闘を誓い合った。

 席の中央に座ったのは世界的プロモーターで村田を担当するトップ・ランク社のボブ・アラムCEO(85)。世界王者となった昨年10月以来の来日となった超大物は、村田の今後について明瞭なビジョンを描いていた。

 「次の試合は米国でさせる。相手はロンドン五輪銀メダルのファルカンだ。場所はラスベガスだね」

 ロンドン五輪(オリンピック)の決勝で争ったエスキバ・ファルカン(ブラジル)とのマッチメークを断定調で明かした。同選手もトップ・ランク社に属しており、実現性は高そうだ。時期については試合を放送する米スポーツ専門局ESPNのスケジュールを鑑み、秋頃になる見込みだ。そして、計画はさらに先を見すえていた。

 「この冬に東京ドームで試合をさせたい。プロモーター歴50年の私の夢の1つだね、東京ドームは。相手はゴロフキンだよ。交渉も何もまだしていないが、そうしたいね」

 口にしたのはミドル級3団体統一王者ゲンナジー・ゴロフキン(カザフスタン)。それも会場は5万人以上が入る東京ドーム。想像するだけで興奮するようなビッグファイトを掲げた。

 もちろん、これはあくまで計画。まずは初防衛をクリアしてからの話になる。村田はこの日、プレッシャーを問われると「こういう質問をされるから感じるという感じで、普段から意識していない。どういう心境で上がれるのか楽しみも恐怖もある」とわずかに白い歯をのぞかせた。