王者勅使河原弘晶(29=輪島)が3度目防衛に成功した。

同級15位川島翔平(28=真正)の挑戦を受け、5回3分9秒、KO勝ち。余裕の表情で上下に打ち分け、多彩なパンチで主導権を握った勅使河原は5回、打ち合いの展開から左フックを打ち抜いてダウンを奪取し、キャンバスに沈めた。「左の感触はありました。今年も勝って締めくくることができました」とすがすがしい笑顔をみせた。

18年6月、WBOアジア・パシフィック・バンタム級王座の2度目の防衛戦から5戦連続KO勝ち。「川島選手は良い選手ですが、勝って当たり前と言われた試合だったので。1発がたまたま当たって倒せた」と謙虚な姿勢。30歳になる来年には世界挑戦の希望をぶち上げており「世界王者のターゲットは誰でもいい。やりたいからできるわけではないけれど言葉先行形で(世界挑戦したいと)口に出していきます」と意欲満々だ。

所属ジムの輪島功一会長は「相手が良いボクシングをするから良い戦いになる。(勅使河原は)オレのいうことを良く聞いて練習している」と満足顔を浮かべると、勅使河原は「3年前まで自分のことを『シマザキ』と呼んでいて覚えていてくれなかった(笑)。うれしいですよね」と冗談交じりに師弟関係の良さを表現していた。