ボクシング元女子世界王者宮尾綾香(36=ワタナベ)がベトナムに乗り込み、王座返り咲きで2階級制覇を狙う。9月27日にホーチミン市で、ティ・トゥ・ニ・グエン(23=ベトナム)とWBO世界ミニマム級王座決定戦を争う。渡辺会長が13日に明かした。12日に興行再開後、日本人最初の海外世界戦となる。

海外も興行が徐々に再開したが、出入国制限でマッチメークが難しい状況にある。その中で日本とベトナムは6月に第1弾で緩和されて合意した。宮尾にとって国内未公認だった07年のタイ以来の海外戦。「こんな早く決まると思わなかった。どこでもやれるだけありがたい」と力が入る。

1月に多田(真正)との同王座戦で引き分け。勝者にグエンと対戦指令が出ていたが、多田が再戦を含めて辞退。今回も2度延期の末に決まった。この間に宮尾がインストラクターのジムも一時休業。逆に空きを利用し、梅津トレーナーに出張指導を受けていた。

8月には国内では原則定年の37歳となる。「私には時間がない。王座を取り戻し、多田さんとも決着をつけてすっきりしたい」。屋外開催の可能性もあるために暑さ対策に取り組み、敵地戦に備える。【河合香】

◆宮尾綾香(みやお・あやか)1983年(昭58)8月29日、長野・千曲市生まれ。未公認時代の04年プロデビュー。公認後の08年に大橋ジム入りし、12年にWBAアトム級王座獲得。5度防衛。16年にワタナベジムへ移籍し、18年に同暫定王座獲得。公認後19勝(6KO)3敗1分け。153センチの右ボクサーファイター。愛称はボクシング界の上戸彩。