プロボクシング前4団体統一バンタム級王者でWBC、WBO世界スーパーバンタム級1位の井上尚弥(30=大橋)が25日、東京・有明アリーナでWBC、WBO世界同級王者スティーブン・フルトン(29=米国)に挑戦する。

井上が王座奪取に成功すれば井岡一翔に続く日本人2人目の4階級制覇という偉業を達成するが、そのほかにも日本ボクシング史に前人未到の“新記録”が刻まれる。この一戦にどんな記録がかかっているのか。列挙してみたい。

 

<1>“最大体重差”の世界王座制覇 井上が勝てばライトフライ、スーパーフライ、バンタム級に続く4階級制覇。日本人ではミニマム、ライトフライ、フライ、スーパーフライ級を制した井岡一翔に並ぶ偉業になる。

ただ、井上はフライ級を“飛び級”しているので、最初に世界王者になったライトフライ級から数えて今回のスーパーバンタム級は5階級目。その体重差6・37キロ。日本人では最大の体重差での世界王座制覇となる。

<2>世界タイトルマッチ20連勝 王座奪取に成功すれば、自身の持つ日本人世界王者の世界タイトルマッチ連勝記録を20の大台に乗せる。ちなみに日本人2番目は元WBA世界ライトフライ級王者の具志堅用高氏の14連勝。

世界に目を向けると、最多は50戦不敗で引退した5階級制覇王者のフロイド・メイウェザー(米国)が26連勝。デビューから89連勝を記録した3階級制覇王者のフリオ・セサール・チャベス(メキシコ)の25連勝がこれに続く。3階級以上を制覇して、さらに無敗のまま20連勝を記録したレジェンド2人にまた一歩近づくことになる。

<3>世界戦最多KO KOで王座奪取に成功すれば、自身の持つ世界戦最多KO勝利数を17に伸ばす。2位は10KOで井岡一翔と、元WBA世界スーパーフェザー級王者の内山高志氏。4位は9KOで具志堅用高氏と山中慎介氏。

<4>世界戦KO率90%到達 フルトンにKO勝ちすれば総試合数に対するKO勝利の割合を算出するKO率は88%に上昇する。これは2位(平仲明信の81・8%)以下をはるか引き離し、元世界ヘビー級王者マイク・タイソンの75・8%。同王者ジョージ・フォアマン(ともに米国)の83・9%。元世界ミドル級王者ゲンナジー・ゴロフキン(カザフスタン)の82・9%をも上回る。特に世界戦でのKO率は20勝(18KO)で90%の大台に到達する。

<5>世界戦最短KO記録 日本人の世界戦最短KO記録は、バンタム級王者時代の井上が18年10月のファン・カルロス・パヤノ(ドミニカ)と防衛戦でマークした70秒(1分10秒)。フルトンを69秒以内でKOすれば、自らの記録を更新することになる。