ボクシングWBA世界スーパーフライ級王者の井岡一翔(志成)が、危機感を胸に35歳で迎える初の世界戦に臨む。

7日にIBF世界同級王者フェルナンド・マルティネス(32=アルゼンチン)との2団体王座統一戦を控える。5日、都内で調印式などに臨み、4月の対戦発表会見以来となるマルティネスとの対面を果たした。激戦が予想される中で「最後の試合になるかも」と覚悟。2階級目の2団体統一、日本人の世界戦勝利数で単独トップとなる通算23勝目を目指す。

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何歳まで現役を続けるかを問われた井岡は、率直な思いを口にした。3月24日に35歳となってから、初めて臨む世界戦。「やりたくても続けられるか分からない職業。1戦1戦が大事な試合。次の試合もとても大事。もしかしたら最後になるかもしれない。やりたくてもやれないのが人生。この年齢になってより1戦1戦、大事に過ごしたいと思っている」と、胸の内にある危機感を明かした。

16勝無敗のIBF王者マルティネスは、好戦的なファイター。接近戦からの激戦になる可能性は高い。相手を止めるには、真っ向勝負する場面も必要になる。「(マルティネスは)長い間、防衛を続けた(前IBF王者ジェルウィン・)アンカハス(フィリピン)に2度勝ってタイトルを保持している。彼のキャリアをリスペクトしているし、越えたい『壁』でもある」と強い覚悟を示した。約1カ月間の米ラスベガス合宿で井岡を指導してきた名伯楽、イスマエル・サラス・トレーナー(67)も「2人の試合はおそらく年間最高試合になるだろう」と激闘を予想した。

井岡は日本人の世界戦通算勝利数でここまで22勝。4団体統一スーパーバンタム級王者の井上尚弥(31=大橋)と並んでトップに立つ。23勝目を飾れば、再び単独1位となる。ミニマム級に続く2階級目の2団体統一へ-。「こうして調印式を無事に終えた。1つ1つ、試合に向けて準備をしていきたい」と、七夕の決戦に静かに燃えた。【藤中栄二】

○…無敗のIBF王者マルティネスが一気にウエートを落とした。この日の調印式では、3日の公開練習に比べてほおがほっそり。約2日間で2キロほど減量したそうで「明日の計量をパスすること。体重計に勝たなければならない」とピリピリムードを漂わせた。調印式には、自身のプロモーターで元世界2階級制覇王者のマルコス・マイダナ氏が来日して立ち会った。信頼できる元世界王者の存在は、大きな“援軍”になりそうだ。