2場所ぶりに三役に復帰した小結逸ノ城(22=湊)が、結びの一番で横綱白鵬(30)を突き落としで破った。過去4連敗中だったが、わずか2秒足らずで初勝利し、初日では3年ぶりに土をつけた。

 不覚だった。立ち合いで踏み込み、左まわしをつかむ最高の形を作った直後だった。白鵬が、前のめりになって両手をついた。逸ノ城に初めて屈し、3年ぶりの初日黒星発進。「(体勢が)良すぎたね。(相手の)タイミングが良かったんじゃないかな」。春場所では15日間取材に応じなかった支度部屋で、淡々と敗因を口にした。

 史上初の2度目の7連覇が懸かる場所も、普段通りに迎えたはずだった。「まあ、普通にいけましたけどね」。それでも、勝ちたい思いは強かった。この日は、長女愛美羽(あみう)ちゃんの8歳の誕生日。横綱昇進を決めた07年夏場所直前に生まれた愛娘は、横綱白鵬を支える大きな存在だ。過去の誕生日は4度相撲を取って全勝だったが、今年は白星で祝えなかった。

 モンゴルの後輩逸ノ城には、巡業や場所前に何度も稽古をつけ、泥まみれにしていただけに「まあ、恩返しされちゃった」と苦笑い。あと1勝に迫っていた大鵬に並ぶ横綱通算622勝目も、先延ばしになったが、大きなショックは見られない。横綱昇進後、初日から2連敗は1度もない。今日2日目は過去7戦負けなしの宝富士戦。気持ちを切り替える術も分かっている。【木村有三】

 ◆白鵬の初日黒星 12年夏場所で安美錦に敗れて以来18場所ぶり。横綱在位通算47場所目で5度目。過去初日負けた4場所中3場所で優勝しているが、前回12年夏は10勝5敗と横綱在位期間で最低成績だった。十両昇進後の初日成績は53勝14敗で勝率7割9分1厘。