日本相撲協会は30日、大相撲九州場所(11月12日初日、福岡国際センター)の新番付を発表して、新入幕に昇進した大奄美(24=追手風)が福岡市内で会見を行った。同席した師匠の追手風親方(元前頭大翔山)の前で「まずは幕内で勝ち越すことが目標です」と意気込んだ。大奄美は鹿児島・奄美大島出身で、同郷の先輩で幕内経験のある幕下里山が幕内で勝ち越していないことを知ると「先輩を超えられるように頑張りたいです」と力強く宣言した。

 同学年の活躍に刺激を受けてきた。日大3年次に左膝半月板の手術を受けて、一時は日大に職員として就職して実業団選手となった。15年の全日本実業団選手権個人優勝で幕下15枚目格付け出しの資格を獲得。ケガで1度は角界入りを諦めていたが16年初場所で初土俵を踏み、所要11場所で幕内に駆け上がってきた。「同い年の御嶽海、北勝富士に負けないように頑張りたい。先に関取に上がっていたので置いていかれている気持ちだった。いつか追い抜いてやろうと思っていた」とケガで入門は遅れたが、同学年の兄弟子らに対抗心を燃やしていた。

 熱く闘志を燃やしていたが、実は課題はメンタル面だという。「精神面が弱いと思う。ふとしたときにコロっと負けてしまう」と185センチ、185キロの巨漢からは想像できない本音。それを聞いた追手風親方から「メンタルは稽古をして『これだけやったから大丈夫』って思うしかない。稽古で自信をつけるしかない」とアドバイスをもらった。最後は「1場所で落ちないように頑張ります」と控えめに話して笑いを誘った。