大相撲の元横綱日馬富士(33)が平幕貴ノ岩(27)に暴行した問題で、鳥取県警は2日、鳥取市内の県警本部で元横綱を再聴取した。県警は聴取結果を踏まえ、早ければ来週にも傷害容疑で書類送検する方針。

 県警は、市内にある現場のラウンジに元横綱を立ち会わせた上での実況見分も検討している。同席していた力士らの聴取結果と合わせ、暴行時や横綱白鵬が制止したとされる状況などを再確認するとみられる。

 元横綱は羽田発の航空機に搭乗し、午前8時すぎ鳥取空港に到着。車で県警本部に入った。黒い帯を締めた白っぽい着物姿で、無言のまま表情を変えることもなかった。

 11月29日の引退会見では「弟弟子の礼儀がなっていないときに直し、正し、教えることが先輩の義務。彼を傷つけ、世間を騒がせてしまった」と語った。日本相撲協会の諮問機関、横綱審議委員会からは「非常に厳しい処分が必要」との指摘を受けていた。

 捜査関係者によると、元横綱は、11月17日に東京の両国国技館で行われた聴取で、貴ノ岩の態度に腹を立て、素手やカラオケのリモコンで殴ったと説明している。

 10月25日夜、元横綱らはちゃんこ店で飲食後、ラウンジに移動。個室には、元横綱や白鵬らモンゴル出身力士や石浦、鳥取城北高関係者らが同席していた。貴ノ岩は同高相撲部出身。

 酒席でのトラブルでもあり、同席者らの証言は一部に食い違いがみられた。県警は、事実関係に矛盾がないか詰めの捜査を進めている。