来年3月で36歳となる嘉風(尾車)は、2018年の抱負を迷わず宣言した。「いつも言っていることですが大関を目指します」。元横綱千代の富士が「体力の限界」と言って引退したのが同じく36歳を迎える年だったが、嘉風は限界どころか、まだまだ成長できる自信に満ちている。そんな向上心のかたまりだからこそ、今年6場所すべて幕内だった横綱、大関以外の力士の中で「敢闘精神NO・1」という称号を手にした。

 日本相撲協会は本場所中、来場者らから「敢闘精神あふれる力士」としてアンケートを募っている。6場所計90日のうち、各日の幕内トップとなった回数は稀勢の里の11回が最多。だが稀勢の里は連続優勝した初、春場所で計10回を数え、今や横綱。嘉風は全体2位の9回ながら「日刊スポーツ大相撲大賞」では「NO・1」と位置づけた。

 嘉風は「毎日力を出し切ることを心がけてきた。それを評価してもらえたのは本当にうれしい。励みになる」と声を弾ませた。肉体面では「何もケアしていなかった20代とは違う」と変化を感じながらも「今年は昨年より、たくさん拍手をもらえたと思う」と、技術面の向上と精神面の充実を実感している。【高田文太】