元横綱貴乃花親方(45)が、総帥を務めた「貴乃花一門」を離脱したことに伴って一門が消滅し、阿武松理事(56=元関脇益荒雄=を中心とした「阿武松グループ」に名称を変更して活動することが22日、日本相撲協会関係者の話で分かった。

 貴乃花親方は「当面は一人で活動していきたい」と無所属となる意向を一門内の親方に伝えた。貴乃花親方は一門から「貴乃花」の名称を外すことを申し入れ、了承されたことを4月に明言している。

 阿武松グループは阿武松理事の他に、千賀ノ浦親方(元小結隆三杉)や大嶽親方(元十両大竜)ら5人の親方によって編成される方向。所属する親方は「5人でしっかりまとまっていきたい。協会と一丸となってやっていく」と述べた。貴乃花親方とは役員候補選挙などの協力関係は結ばない見通し。

 同親方は2月の協会理事候補選挙で落選。3月の春場所での無断欠勤や、弟子の貴公俊関(当時十両)による暴行問題の監督責任などを問われ、親方衆の序列で再雇用者の参与を除いて最下位となる年寄に降格した。

 同親方は2010年の協会理事選挙前に二所ノ関一門を離脱し、阿武松理事や音羽山親方(故人=元大関貴ノ浪)ら支持者と「貴乃花グループ」を形成。14年に六つ目の一門へ格上げされた。

 相撲部屋を系統別に分ける一門は出羽海、二所ノ関、時津風、高砂、伊勢ケ浜の従来の五つに戻った。相撲協会幹部は「一門とは代々つながって大事にしているもの。在り方について改めて議論をしていく必要がある」と述べた。