日本相撲協会は25日、大相撲名古屋場所(7月8日初日、ドルフィンズアリーナ)の新番付を発表した。

 上位陣の顔ぶれに、新大関として西の2番目に栃ノ心(30=春日野)が加わった。新大関は、ちょうど1年前の高安(28=田子ノ浦)以来、平成以降では25人目で、春日野部屋からは62年名古屋場所で同時昇進した栃光、栃ノ海以来となる。ジョージア出身の大関は初めてで、外国出身では15年名古屋場所の照ノ富士(26=伊勢ケ浜)以来、11人目。スロー昇進として、新入幕から所要60場所は史上1位タイ、初土俵から所要73場所は史上10位タイ。また30歳7カ月での新大関は4位の高齢昇進となった。

 横綱は夏場所と同じ序列で、東→西→東の順で3場所連続優勝を目指す鶴竜(32=井筒)、今年初となる41回目の優勝を狙う白鵬(33=宮城野)、新横綱翌場所から7場所連続で休場が続く稀勢の里(31=田子ノ浦)となった。

 東西の両大関は、ともにかど番で迎える。東の豪栄道(32=境川)は5場所ぶり7度目、西の高安は4場所ぶり2度目。ともに負け越せば大関陥落となる。

 三役陣は、関脇が2場所連続(三役は3場所連続)の逸ノ城(25=湊)と2場所ぶり復帰(三役は9場所連続)の御嶽海(25=出羽海)。小結は5場所ぶり(三役は3場所ぶり)復帰の玉鷲(33=片男波)と、26場所ぶりとなる松鳳山(34=二所ノ関)。昭和以降、7位のスロー三役復帰となる。

 平幕上位(5枚目まで)は東が正代、勢、阿炎、魁聖、大翔丸。西は琴奨菊、千代の国、貴景勝、輝、嘉風で、夏場所で新三役の小結ながらケガで途中休場(その後、再出場)の遠藤(27=追手風)は東前頭6枚目に番付を落とした。

 新入幕は2人。東前頭14枚目の琴恵光(26=佐渡ケ嶽)は、現師匠(元関脇琴ノ若)が部屋継承以降では3人目の新入幕。宮崎県出身の新入幕は戦後3人目、幕内在位は85年初場所の栃光以来となる。西前頭16枚目の明生(22=立浪)は現師匠(元小結旭豊)の部屋継承後では3人目の新入幕で、鹿児島県出身では戦後24人目。西前頭11枚目の阿武咲(21=阿武松)は2場所ぶりの幕内復帰となった。

 新十両も2人。西十両12枚目の千代の海(25=九重)は現師匠(元大関千代大海)の部屋継承後としては初めての関取誕生。高知県出身では土佐豊以来、戦後11人目、日体大からは北勝富士(25=八角)以来9人目の新十両だ。西十両14枚目の木崎改め美ノ海(25=木瀬)は、現師匠(元前頭肥後ノ海)が03年12月に部屋を創設してから12人目の関取。沖縄県出身では02年九州場所の琉鵬以来、戦後5人目で、日大からは51人目の新十両昇進となった。また千代の海は日体大、美ノ海は日大出身で、学生相撲出身の関取も128人となった。

 東十両13枚目の希善龍(33=木瀬)は3場所ぶりの十両復帰で、通算9度目の十両昇進は8度で並んでいた須磨ノ富士を抜き史上単独1位の“エレベーター記録”となった。なお、昨年秋場所まで大関だった照ノ富士は、東十両8枚目だった夏場所で負け越し(0勝9敗6休)たため、西幕下6枚目まで陥落。大関経験者、幕内優勝経験者の幕下陥落は初めてとなった。

 また新十両だった3月の春場所中、付け人に暴力をふるい同場所は途中休場(3勝6敗6休)、西幕下9枚目に陥落した夏場所は出場停止処分を受けた貴公俊(21=貴乃花)は、西幕下49枚目の今場所から土俵復帰する。

 名古屋場所は、7月6日の取組編成会議で初日、2日目の対戦相手が決定。8日の初日を迎える。