再十両2場所目の西十両5枚目の豊ノ島(35=時津風)が、東筆頭の照強(24=伊勢ケ浜)と対戦。先場所に続き小兵を押し倒しで破り3連勝。星を6勝3敗とした。

以前は「苦手なタイプ」と話していた小兵相手にも「克服しつつあるかな。(以前は)小さい相手に対して合わせてしまう感じだったけど、今は前に前にという感じで取れてる」と豊ノ島。左を入れて攻め込むも残されて胸を合わせた。局面を何とか打開しようと、右から仕掛けて崩そうとした照強の外掛けにも冷静に対応。「グラッとしたように見えたでしょう?」と切り出して、その動きの中で駆け引きがあったことを説明した。「(あえて)自分から後ろに体重をかけた。あの外掛けを利用して下がって、距離(相手との間合い)を開けたんですよ。我慢するより、その方がいいね」。ベテランの妙だ。なおも出ようとする相手を、左からの下手投げで振り形勢逆転。最後は右の腕をグイと伸ばし、116キロの軽量を押し倒した。

相手の技に乗ったように見せかけて、瞬時の読みと動きで逆転。長年、幕内上位の土俵で培われた相撲勘を発揮し「いやいや」と、ご満悦の表情。十両5枚目以内の6勝は、現時点で豊ノ島を含め3人。幕内で2枠(稀勢の里、貴ノ岩)は空いており、今後の幕内下位、十両上位の星次第では、十両2場所通過での再入幕も見えてくる。