大相撲の横綱鶴竜(34=陸奥)が8日、報道陣の電話取材に応じ、無観客開催を目指す7月場所(19日初日、東京・両国国技館)に向けて相撲を取る稽古を開始したことを明かした。部屋の平幕の霧馬山と三番稽古を行ったといい「今日から相撲を取る稽古を始めた。2カ月ぶりくらい。体はいい感じ」と久しぶりながらも手応えがあったという。

同郷のモンゴル出身で、7月場所を自己最高位で迎える霧馬山。24歳と若くて勢いがあり「力強さがある。これからもっと良くなってくれば上位にずっと居続けられると思う。技術はまだまだもっと覚えていくことあるけど、これから稽古していけばもっとよくなる。稽古してても力を抜かずに精いっぱいやるところがいいなと思う。体勢が悪いと諦める人もいるけど、力を抜かないことが大事。まだまだ伸びしろはたくさんある」と評価。出稽古が禁止の状況で、貴重な稽古相手となっているようだ。

それでも出稽古禁止の状況に戸惑いはある。本場所前は、出稽古でさまざまな力士を相手に相撲を取って仕上げる。「出稽古をやらないというのは1回もない」と未知の経験。ゆえに「ケガすることが1番じゃないかな。後はやっぱりいい相撲を取れるかどうか。部屋だけの稽古で本場所に臨むことが一回もないので。それが難しいところかな」と横綱とは言え、心配事は多い。予定している初日まであと11日。「それでも精いっぱい、ベストを尽くすしかない」と言い訳はしない。