西幕下筆頭の木竜皇(きりゅうこう、21=立浪)が、二番相撲から4連勝で勝ち越しを決め、来場所の新十両昇進に大きく近づいた。先場所まで十両だった西幕下3枚目の欧勝海との1敗対決を、2分近い熱戦の末に寄り切りで制した。取組後は息を切らしながら「自分の形になれなかったけど、最後は関取になる、勝ち越すんだという執念で勝てた」と、気持ちの強さを勝因に挙げた。

西幕下26枚目だった昨年夏場所で幕下優勝し、その後は常に幕下8枚目以内の番付を維持していたが、あと1歩、新十両昇進には届かなかった。それだけに、この日の取組後も「何回も悔しい思いをしている。何度もくじけそうになった時もあったけど、あきらめずに、ここまで来ることができた」と、一番相撲こそ敗れたが、4連勝で4勝1敗とした。現時点で、十両からの転落が確実といえる力士が不在のため、決定的とはいえないが、新十両昇進の権利を得た。

先代時津風親方(元前頭時津海)の長男で「オヤジも喜んでいると思う」と話し、表情を崩した。兄弟子の大関豊昇龍、前頭明生らの胸を借りて成長。今年1月、初場所直前には、行きつけの銭湯を訪れた際、心肺停止となり浴槽で溺れていた80代男性を、人工呼吸などの的確な措置を施し、人命救助した経験もある。“気は優しくて力持ち”の好青年が、苦労を重ねて大きな白星をつかんだ。

もちろん、さらに新十両昇進の可能性を高めるためにも「あと2番あるので気を引き締めたい。喜ぶのは今日で終わり。明日からまた頑張りたい」と、きっぱりと話した。さらに白星を重ねる決意の強さをにじませた。【高田文太】