大相撲の美ノ海(33=木瀬)の新三役昇進には、諦めずに土俵に立ち続ける兄弟子の支えがあった。九州場所(11月8日初日、福岡国際センター)の新番付が発表された26日、佐賀県基山町の部屋宿舎で会見。身近で見てきた宇良や、同学年の力士たちから受ける刺激を語った。

沖縄県出身力士で初めて三役となる小結に昇進した。初土俵から所要63場所は、大学相撲出身では最も遅い到達。その間、同じ稽古場には、何度けがをしても立ち上がる宇良がいた。

「辞めないで相撲を取り続けられているのは、宇良関が辞めていないのに辞められない、というのも大きいかもしれないですね」。

自身の歩みを語る中で、兄弟子への思いがあふれた。「あれだけけがをして、それでも乗り越えている兄弟子を間近で見ているので。大けがもしていない僕が諦めている場合でもないなと」。その姿に勇気づけられてきた。

特にすごいと感じる部分を聞かれても、1つには絞れない。「いや、もう全部すごいですよ」。巡業でほぼ毎日相撲を取る姿から、トレーニング、食生活まで。「すごすぎて、逆にちょっとまねできないですね」と、敬意を口にした。

部屋の外にも、力をもらう相手がいる。朝乃山、大栄翔、一山本、若元春ら同学年の力士たちだ。

「本場所で当たったら、やっぱり燃えます。若い時からずっと一緒にやっているので」。

自分はゆっくり番付を上げてきた分、土俵で顔を合わせる喜びもある。「やっとみんなと対戦できるなという思いもあります。一番力になりますね。同級生がまだ頑張っているというのも大きいかと思います」。

九州場所へは「自分の相撲がひとつでも先に進むように一生懸命取り組んで、結果として勝ち越しがついてくれば」と力を込めた。兄弟子の背中に励まされ、同級生との勝負に燃える33歳が、初めて三役の土俵に立つ。【山田遼太郎】