年内いっぱいでSKE48としての活動を終える後藤理沙子(20)が18日、名古屋市のSKE48劇場で卒業公演に出演した。

 オープニングの「GONNA JUMP!」でセンターポジションで登場すると、ファンはメンバーカラーの黄色とピンクのペンライト、盛大なコールで出迎えた。アンコールでは、かつてSKE48と兼任していたころの仲良しだったHKT48田中菜津美(17)とデュエット曲「スキャンダラスに行こう!」を披露。さらに、同期の須田亜香里(26)松村香織(27)がサプライズ出演し、「ここで一発」を歌った。

 松村はデビュー当時、地元埼玉での撮影後に男性を含む友人と食事に行ったことを知った後藤に、スタッフへ報告されたと告白した。後藤の正義感を象徴するエピソードだが、松村は「理沙子がスタッフさんに言ってしまって、私は後日、呼び出しされたんですよ。見て見ぬふりをしなかった。偉かったよ。純粋だったと思う」と苦笑いで打ち明けていた。

 握手会での後藤は、ファンへの感想を直球で言うことで有名だった。そこでこの日は、握手会で後藤がファンから「苦情」を受け付けるコーナーを設けた。「休日に握手会ばかり来てどうするの?」と言われたと訴えた女性ファンに、後藤は「彼氏を作れそうな見た目をしてるから。来てくれるのはうれしいけど、1人の女性としての幸せもつかんでほしい」と、優しさからの発言だったことを明かしていた。

 後藤への別れの手紙は、11月に卒業した元チームメートの大矢真那(27)からだった。卒業生は現役メンバーへ手紙を書かないというルールから、自分が卒業した日の深夜に書いた手紙を「置き手紙」として後藤に残したという。松本慈子が代読した手紙で大矢は、仲良しメンバーの相次ぐ卒業で元気がなくなったころの後藤を振り返った。「理沙子の笑顔が大好きだから、強引に指を耳に突っ込む作戦を繰り返しました」と、大矢なりの励まし方をしていたことを明かし、場内を笑いに包んだ。

 最後はウエディングドレス衣装で登場し、バラード曲「君にウェディングドレスを…」をソロで歌った。15年の選抜総選挙で52位に入ったことでメンバー入りを果たした、思い出の曲だった。14年に総選挙の立候補を辞退したときに、実は卒業を決意していたと明かした。「そこから立ち直れたのは、ファンの皆さんのおかげ。そうしたら2年前に選挙でランクインすることができて、『君にウェディングドレスを…』をいただいた。AKB48が好きでSKE48を知ったから、AKB48のシングルに参加するのが夢だった。その夢をかなえてくれた皆さんには感謝しています」と涙ながらに語った。

 1月からは、卒業生の佐藤実絵子らが所属する芸能事務所のセントラルジャパンに移籍し、芸能活動を続けることを発表した。「私の夢は、ラジオをやったり、雑誌に載ったり…。夢がありすぎてあやふやかもしれないけど、SKE48を通してやりたいことが増えたんです」。ラジオの仕事に、抜群のスタイルを生かしたモデルを続けていくのが目標という。最後は「皆さん、良いお年を。バイバ~イ」と、卒業公演らしからぬ言葉でアイドル活動を締めくくった。