くだらなすぎておもしろい。これだけおバカなギャグがちりばめられていると、なんだか元気が出る。主演は歌舞伎役者の人生を描いた映画「国宝」で神がかった演技を見せた吉沢亮。「国宝級」と話題沸騰中の演技とは正反対のコミカルな役柄で、演技力の振り幅の大きさに驚かされた。

奥嶋ひろまさ氏の同名コミックの実写化は、設定からして笑える。吉沢が演じる、美麗な450歳の吸血鬼・森蘭丸は織田信長に仕える前に南蛮渡来の吸血鬼に襲われ、自分も吸血鬼に。信長の死後、天草四郎を名乗ったり、坂本龍馬ら偉人と交わったりし、現代まで生き延びてきた。

蘭丸の大好物は「18歳童貞の血」。銭湯「こいの湯」のピュアな1人息子・李仁(板垣李光人)に心奪われて以来、18歳になるまで、こいの湯で住み込んで働いてきたが、事態は予期せぬ方向に転がっていく…。

前半は展開が遅く少し物足りなさを感じたが、クセが強い人物が次々に登場し、全員が大真面目にズレていくのが楽しい。「ババンババンバン」。主題歌は昭和の名曲「いい湯だな」をアレンジカバー。下ネタも多いが、どこか品を失わないのは「国宝級」の演技力だろう。【松浦隆司】

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