男女の間に、友情は成立するのか…。いつの時代にも問われるであろうテーマを描いた1本だ。

神名(松岡茉優)は数年前に絵本で賞を受賞して脚光を浴びたが、描きたいものを見失った最近は、人生に行き詰まりを感じている。その中、思いがけない電話をきっかけに、大学時代の先輩ハセオ(成田凌)と7年ぶりに再会。恋人でも男女の関係でもないが、出会った頃と変わらずに深く理解してくれ、変わらない温度で接してくれるハセオと、3つの夜を過ごす。

同居する恋人がいながら、妻子ある医師と体だけの関係を続ける神名は、奔放…ともすれば、自分勝手な女に見えても、おかしくない。そんな神名を、むしろかわいげすら感じさせる女としてスクリーンに現出させているのは、主演の松岡の演技の力だろう。

神名を違和感なく成立させている、もう1つの大きな要素こそ、ハセオだ。奔放な女性遍歴を口にしつつも、神名を女性としては見ず、包み込むように接する姿は、抜けているような軽さがあり、どこまでも懐を広げているような寛容さがある。演じた成田なくして、この映画はない。4日に、第39回東京国際映画祭で最優秀男優賞を受賞したのも納得だ。

もう1人、忘れてはいけないのが神名と体だけの都合の良い関係を重ねる、かつてのバイト先の医師・真司役の中島歩だ。TBS系ドラマ「Tシャツが乾くまで」で妻を亡くした夫を演じて大ブレークしたが、今作のような役どころを、これまでも複数の作品で演じてきた。不貞を繰り返す男を、いやらしさや嫌みなく、憎めなく軽やかに演じる才は昨今においては屈指だろう。“帰ってきてくれた”という安心感すら覚えた。【村上幸将】

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