8日に最終話を迎える人気ドラマTBS系日曜劇場「VIVANT」(午後9時)。ロケ先に聖地巡礼のファンが訪れるなど、盛り上がりを見せている鳥取県では、県庁の「野崎っぽい人」こと、広報課の松田健さん(41)が、VIVANTにからんだ県PRに八面六臂の働きを見せている。俳優阿部寛(62)演じる公安・野崎守に似た風貌は、学生時代からの「やんわり阿部寛」歴20年以上という筋金入りだ。最終回を前に、松田さんが勤務する県庁に潜入取材を行った。

   ◇   ◇   ◇

“野崎”は生きていた-。前週第23話は、野崎が敵組織のリュウ・ミンシュエン(堺雅人2役)に銃で撃たれるシーンで終わる。「野崎っぽい人」こと松田さんは白シャツに黒のスーツ姿で、難しい表情を浮かべながら県庁のデスクで仕事をしていた。「そのシーンはまだ見てないんです…」。第18話までしか視聴していないという。

「最終回まで全話見るのは間に合いそうにありません」と苦笑いするのには理由があった。広報課の本業に加えSNS活動も展開する二刀流で、日々の仕事に追われている模様。8月28日投稿の「県庁内でVIVANTごっこをしてる野崎っぽい県職員」の写真は186万回以上も再生され、「予想以上の反響でした」。その後も監獄に閉じ込められるシーンや絶食中の場面など作中の野崎を模した写真を継続して投稿。「県のPRにつながるなら何でもやります」と野崎ばりに覚悟が決まっている。

地道な活動が実を結び始めた。観光戦略課とのSNS戦略により、鳥取県は今年8月の宿泊者数が前年同月比で37・6%増、伸び率は全国で1位。約11万人もの動員増につなげた。松田さんの写真が拡散されたのが8月末のため、今後はさらなる伸長が望める。

平井伸治県知事も「本当に素晴らしい人材。千載一遇のチャンス」と松田さんを評価。さらに「彼は日吉津村(ひえづそん、県内唯一の村)からの出向で、実は“別班”です」とノリノリだ。

村役場の職員から一躍、県PRの一翼を担っている松田さんは「半年前にこんな展開になっているとは思っていませんでした」。続編が期待される中「実際に自分が出ることによって、鳥取県のPRに直接的にも間接的にも貢献できたことに手応えや楽しみはありました。最終回を迎えるけど、今後もコラボを続けたい」と、目をギラギラさせている。【高橋洋平】

◆「VIVANT」が地域創生の風を吹かす。第2シーズンで国内ロケ地として使用されたエリアはファンによる「聖地巡礼」現象で、観光客の動員増につなげている。鳥取は鳥取砂丘や、日南町のJR伯備線生山(しょうやま)駅、鳥取砂丘コナン空港や米子鬼太郎空港がロケで使用された。いずれも自治体がSNSで拡散し、PR活動に結び付けた。鳥取の他にも、岐阜や島根で撮影されたロケ地が聖地化している。

鳥取県庁に「VIVANT」野崎守がいた…正体は「やんわり阿部寛」歴20年の41歳広報課職員