東名高速道路で起きた夫婦死亡事故に関連するデマがネット上で拡散された騒ぎを受け、過去にネット上で殺人事件の犯人だと書き込まれ、長年に渡り誹謗(ひぼう)中傷を受けた経験を持つお笑い芸人のスマイリーキクチ(45)が、ネット利用者に注意を呼びかけた。

 19日放送のテレビ朝日系「モーニングショー」は、東名高速道路での事故で逮捕された容疑者と同姓の男性が電話出演。容疑者とは無関係にもかかわらずネット上では“父親”だとする間違った情報が拡散され、一日100件を越える嫌がらせ電話を受けるなどの被害に遭ったことを訴えた。

 キクチは同日、「ネットリンチ」のタイトルでブログを更新。今回のデマ騒動に触れ、「デマを信じる信じないは本人の自由です。ただし、中傷の書き込みや電話などの嫌がらせ行為をした時点で、やった人物に責任が生じます」と注意をうながした。

 ネットリンチについて「無関係な人を犯人扱いしたり、罵倒したりするのは正義ではありません、ただの暴力です」と批判。「さらし、吊るし上げ、叩くことを生き甲斐にするような『モラルに反する人は許さない病』や『憎しみ依存』になる人を減らしたいです。無関係の人がデマや中傷の被害に遭い、ニ次被害に巻き込まれる。この負の連鎖を次の世代には止めたいと思います」との思いをつづり、「どうか曖昧な情報に惑わされたり、すぐに決めつけないでください。やられた側の人はデマの疑いは晴れても、ネットに書き込まれた悪評は消せません。家族や友人もいます、仕事にも影響が出ます」と呼びかけた。