宝塚歌劇の星組新人公演「ミュージカル『ベルリン、わが愛』」が24日、兵庫・宝塚大劇場で行われ、4年目の極美慎(きわみ・しん)が、100期生初の主演を果たした。

 本公演に主演する星組トップ紅(くれない)ゆずるから開演前、メッセージを書き込んだ写真をもらったといい「気合がグッと入りました」。拳に力を入れて握り、こう言った。

 14年入団の100期生で初めてセンターに立った極美は、幼稚園から中学2年まで空手に明け暮れていた。幼少時からバレエ、ダンスを習ってきた仲間とは異色の歩みで進み、あこがれの舞台に立った。

 最後のあいさつでは、質実剛健と心身の鍛錬をうたう道場訓を披露。「私がいつも、心に思っていることなので」と、自分らしさにこだわった。

 物語は、ナチス台頭前のドイツ・ベルリンが舞台。ミュージカル映画こそが新たな娯楽作と信じ、推進する「映画人」たちを描くオリジナルで、若手には難しいスーツ物だった。

 「紅さんのようにはかっこよく、スマートに着こなせないし、歩けない。歌も何回か(声が)ひっくり返ってしまった。でも、自分ができることをやろう、舞台を楽しもうと思って、臨みました」

 冒頭、銀橋でソロの熱唱があり、その場面は「最初は緊張したんですけど、その分、(大劇場を独り占めし)気持ちよかった」と笑顔で振り返った。

 ヒロインには、極美より1年後輩の101期生、星蘭(せいら)ひとみが抜てき。星蘭は「化粧が苦手なんですが、開演の前に(トップ娘役で本役の)綺咲(愛里)さんが直してくださり、ちょっとだけマシになったと思います」と感謝していた。

 東京宝塚劇場での新人公演は12月7日。