タレントのデヴィ夫人(77)が約2億6000万円の横領被害に遭っていたことが27日までに、分かった。警視庁渋谷署はデヴィ夫人が代表を務める芸能事務所の運営費を横領したとして26日、事務所の元経理担当で無職の辻村秀一郎容疑者(60)を逮捕。同容疑者は「詳細は覚えていない」と容疑を否認している。

 逮捕容疑は16年3月中旬、事務所の運営費60万円を銀行窓口で引き出し、横領した疑い。渋谷署によると、辻村容疑者は11年2月、東京都新宿区にある税理士事務所から派遣され、13年からは個人契約に切り替えて週3日勤務していた。デヴィ夫人が16年9月、税理士に資産運用の相談をした際に不正が発覚。この間、使途不明の引き出しが約300回、計1億7000万円ほどあるという。

 デヴィ夫人はこの日、事件について書面で報告した。納税のために銀行からの借り入れなどで6200万円の損害が生じており、被害総額は計2億6812万6600円にも及んでいるという。夫人は「辻村は、このような大それたことをする人とは思えず、結果的に大変な知能犯ということがわかりました」とし、「このような事件が起きたことを、大変遺憾に思います」とコメントした。