脳性まひの障害と闘いながら活動しているバイオリニスト式町水晶(21)が、4月11日にキングレコードからメジャーデビューアルバム「孤独の戦士」を発売したのを記念して14日、東京・虎ノ門のニッショーホールでコンサートを開いた。

 同アルバムは、メロウ・ポップな作品からフィドル風の軽やかで陽気な曲まで、自ら作曲した人気のオリジナル曲を中心に全11曲(ボーナストラック含む)収録。発売前から大きな話題となり、好セールス中だ。

742席の会場は満席の中「メジャーデビューアルバム発売コンサートをこうして開催できましたこと、皆さまのおかげです。本当にありがとうございます。今日のバンドは実力ともに最強のメンバーの方々ばかりで、僕の記念すべきメジャーデビューコンサートで一緒に演奏させていただいて改めてお礼を言わせてください。実はこのCDは、このメンバーでレコーディングさせていただきました。僕自身もCDの思い出にちょっと浸りたいなと思っています」とあいさつ。

 共演のピアニスト・Keikoは「メジャーデビュー、おめでとうございます。ついに、ですね。長年の夢がかないましたね。私が水晶くんに会ったのは3、4年ぐらい前ですが、そのときからぐんぐん上達してきて、レコーディングのときはバリバリ弾いていて、バンドメンバーとして楽しく演奏させていただきました」と絶賛した。

 同アルバムから12歳のとき、医療刑務所の慰問演奏のために作曲した「孤独の戦士」をはじめ、自作曲の「マインズ・モーション」「オリビア・ルイーズ」「メモリー・オブ・モーメント」「ロコマイカイ」、超難易度の名曲「リベルタンゴ」、それに未発表の新曲「Meioh」(初披露)など全14曲を演奏。

 また、東日本大震災で発生した津波による流木から作られ、その後も復興支援のための演奏会などで使い続けている「TSUNAMIヴァイオリン」で「浜辺の歌」や「花は咲く」を披露するなど、得意の楽しいトークを交えながら最後まで客席を魅了した。