松本穂香(21)が、歌のレコーディングに初挑戦したことが18日、分かった。

 松本はTBS系日曜劇場「この世界の片隅に」(日曜午後9時)で、ヒロインの北條(浦野)すずを演じるが、15日に放送された第1話の劇中で童歌を歌った。童歌は、脚本の岡田恵和氏が作詞、94年のフジテレビ系ドラマ「時をかける少女」以来24年ぶりに民放連続ドラマの音楽を担当した久石譲氏(67)が作・編曲したドラマオリジナルの童歌「山の向こうへ」で、8月29日にリリースされるサウンドトラックへの収録が決まった。

 このほどレコーディングを行った松本は、初挑戦に緊張気味だったが、透明感のある歌声を披露。「レコーディングは初体験なので、すごくドキドキしました。終わってホッとしました」とコメントした。

 楽曲については「久石さんの曲と岡田さんの歌詞がとても合っていて、すずさんたちが暮らしている広島の江波や呉のちょっと昔の風景がふっと浮かぶような、優しい歌だなと思いました」と感想を語った。そして「何度か歌わせていただいたのですが、最後の方は、スタッフさんやみんなの顔を思い浮かべながら歌いました。歌っていて自分自身、優しい気持ちになれました」と感激を口にした。

 久石氏は「山の向こうへ」について「このお話をいただいて原作を読み『あ、いい話だな』と思いました。“すずのやさしさ”を感じられる音楽にしたいと思い、久しぶりにメロディーを中心に作っていきました。呉や尾道、広島はよく行っていましたので、雰囲気はよく分かります。そういう点は少し影響があるかもしれませんね。自分としてはとても満足した仕上がりになっています」と語った。

 佐野亜裕美プロデューサーは「子守歌のようにも、童歌のようにも、労働歌のようにも聴こえる、ドラマオリジナルの劇中歌を作りたい、その思いからスタートしました。久石さんが素晴らしい曲をつくってくれ、岡田さんがすてきな詞をつけてくれました。松本穂香さんが一生懸命歌ってくれました。この歌が皆さんの心に残って、いつまでも響いてくれるといいなと思います」と期待した。

 「この世界の片隅に」は、15日放送の初回の平均視聴率が、10・9%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と好スタートを切った。またドラマの舞台となった広島地区では、同時間帯トップの視聴率20・4%を記録した。22日の第2話は15分拡大スペシャルとして放送される。