映画でおなじみの「スパイダーマン」や「アイアンマン」「キャプテン・アメリカ」など人気キャラクターの生みの親であり、マーベル・コミックの元発行人だった伝説のクリエーター、スタン・リーさんが12日、ロサンゼルスの病院で死去したことが明らかになった。95歳だった。

リーさんは、60年代にマーベル・コミックで「ファンタスティック・フォー」や「Xーメン」などスーパーヒーローコミックの原作を手掛けるトップ作家として活躍。その後は編集員、名誉会長も務め、現代のコミックブックの形を作ったことで知られている。

近年はマーベル・コミックの実写映画版の製作総指揮を務め、自らも映画にゲスト出演して多くのファンを魅了してきた。先月公開された「ヴェノム」にも出演し、元気な姿を見せていたばかりだった。

リーさんの長女ジョア・セリアさんは、「父は人生を愛し、生計のためにやっていたことを愛していました。家族もファンも父を愛していました。かけがえのない存在でした」とコメント。死因など詳細は明らかにされていないが、芸能情報サイトTMZは12日早朝にハリウッドヒルズの自宅に救急車が呼ばれ、搬送されたビバリーヒルズの病院で亡くなったと伝えている。キャプテン・アメリカを演じた俳優クリス・エバンスは、「スタン・リーのような人は二度と現れないだろう。何十年間もの間、世代を超えて冒険、逃避、心地よさ、自信、インスピレーション、強さ、友情、そして喜びを提供してくれた。愛情とやさしさがにじみ出ていた」とSNSで追悼の意を表している。また、ブラック・ウィドウ役の女優スカーレット・ヨハンソンは、「銀河にもう1つのシリウスが輝くことになった。毎日がスタンの宇宙の小さな一部になるわね」とコメントしている。(ロサンゼルス=千歳香奈子)