高良健吾(31)が26日、大阪市内で、主演映画「多十郎殉愛記」(中島貞夫監督、4月12日公開)の先行試写会の舞台あいさつを行った。

長州を脱藩し、幕末の京都に身を潜める多十郎(高良)の交錯した思いを描く。ラスト30分のチャンバラのシーンが最大の見せ場となる。

「木枯し紋次郎」(72年)、「極道の妻たち 決着」(98年)などを手がけた中島貞夫監督(84)の20年ぶりの作品。出演オファーに高良は「もうラッキーでした。30代最初の現場で、しかも中島監督の20年ぶりの長編時代劇。京都での撮影、殺陣も学べる。なんのご褒美なんだろうという気持ちだった」と振り返った。

高良は撮影が始まる1カ月前から東映京都撮影所で殺陣を勉強した。中島監督は「彼は斬る立場だが、斬られることもまで訓練をした。これは普通のスターさんにはできないこと」と感動したことを明かした。

貪欲な姿勢で学んだ高良は「実感したのは明らかに斬られ役のほうが難しい」と殺陣の神髄を感じたという。

中島監督は「この20年を空白にせずに、あらためてチャンバラってなんだ? 最近のチャンバラはおもしろくない。チャンバラは人間のドラマが含まれているはず。もう1回、真剣に考えようというのが今作です」と熱く語った。