作品賞は藤井監督自信の「新聞記者」/映画大賞

「第32回日刊スポーツ映画大賞・石原裕次郎賞」(日刊スポーツ新聞社主催、石原プロモーション協賛)が、11日までに決まった。作品賞は「新聞記者」が受賞した。

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藤井監督は作品賞受賞に「光栄です。映画作りのスタイルとして、総合力で、みんなで作ることを信条にしているので、作品賞という、みんなで頂いた賞。うれしいです」と喜んだ。

監督自身は政治や新聞とは少し離れて生きてきた世代と正直に話す。その分、作品に込めた思いが強くなった。「この作品を作るにあたり、本当の情報は何かと、日常的に見ている情報のあいまいさを実感しました。しっかり自分たちの目で真実を見極める。誰かが言うからとか組織が言うから正しいのでなく、自分の目で耳で確かめることが大事。それを若い層にしっかり届けたかった」。

権力とメディアのせめぎ合いを描いた作品。官僚や新聞記者を、半年近くかけて取材した。「官僚の話を聞くと新聞記者が悪く聞こえ、新聞記者の話を聞くと官僚が悪く聞こえる。自分の立ち位置をどこに置くか、すごく疲れました。風邪でもないのに毎朝38度5分の熱が出ました」。

苦労は報われ、双方の立場をしっかりと描いた。藤井監督も「おかげで新聞記者を賛美する映画にはなっていないと思う」と自信をのぞかせた。【中野由喜】

作品賞・選考経過

「破壊力がすごかった。真利子監督が振り切った」(石飛徳樹氏)と「宮本から君へ」を推す声、「映画の楽しまれ方が変わっている中、とんでもない作品ができた」(品田英雄氏)と「翔んで埼玉」を推す声が出る中、「表現の自由が問われた今年に評価したい」(福島瑞穂氏)など「新聞記者」に評価が集まる。2回の投票で決定。

◆新聞記者 シム・ウンギョン、松坂桃李ダブル主演。記者の吉岡(シム)の元に、大学新設に関する極秘情報が書かれた匿名ファクスが届く。内閣情報調査室官僚の杉原(松坂)は、任務に疑問を感じる中、尊敬する先輩を亡くす。真実に迫ろうとする2人-。

◆選考会 11月30日に東京・築地の日刊スポーツ新聞社で行われた。選考対象は昨年12月~今年11月の公開作品。

▼選考委員(敬称略、50音順)赤津一彦(テレビ朝日総合編成局アニメ・映画事業部長)秋山登(映画評論家)石飛徳樹(朝日新聞記者)伊藤さとり(映画パーソナリティー)神田紅(講釈師)駒井尚文(映画.com編集長)斎藤厚子(石原プロモーション)品田英雄(日経BP総研)寺脇研(映画評論家)福島瑞穂(参院議員)不破浩一郎(共同通信記者)渡辺武信(建築家)

▼日刊スポーツ選考委員 相原斎(映画賞事務局)高木茂久(西日本報道部長代理)松田秀彦(東京本社文化社会部部長)竹村章(同次長)

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