ラジオ文化放送の松島茂(まつしま・しげる)アナウンサーが23日午前7時20分に肺腺がんのため、入院していた都内の病院で亡くなった。47歳。

24日夕、松島アナが担当していた同局のスポーツ情報番組「岩本勉のまいどスポーツ」(月曜午後6時)の生放送で、元日本ハムの岩本勉氏(48)が涙しながらリスナーに報告した。

番組冒頭で岩本氏は「(松島アナは)頑張りました、頑張りました」と2度、涙ながらに声を絞って報告。松島アナとは同学年で現役時代から親しい間柄だった。番組ではダブルパーソナリティーとして出演していた。「松っちゃんはラジオを僕に教えてくれた人なんです。球場ではじめて会ったとき『同級生だからよろしく』と言われた。親友だったんです。親友はぎょうさんいませんが、松っちゃんは親友でした。2週間前にお見舞いにいって握手して握力があった。先生の言うこと聞いて早く帰ってきてと言ったら、彼は最後まで復帰すると言っていました」と号泣した。「仕事は全部全力だった。手を抜かない男だった。彼の分まで頑張るしかない」と泣きじゃくった。

アナウンス部長の太田英明氏(56)も「誰よりも番組とラジオを愛していたアナウンサーでした。力及ばずでした」と悼んだ。

生放送中、スタジオ周辺には多くの社員、スタッフが集まった。ある社員からは「文化放送の良心でした」と松島アナの人望の厚さを示す言葉も聞かれた。

松島アナは1994年(平6)に文化放送入社。プロ野球中継「文化放送ライオンズナイター」の看板アナウンサーとして西武ファンの間でも人気だった。西武が2年連続リーグ優勝した昨年9月24日のロッテ戦でも実況を担当。丹念な取材と落ち着いた語り口で西武の現役選手、OBからも信頼されていた。

昨年10月に息苦しさを感じるなどの体調不良が続いたため、検査したところ病気が判明。実況としての仕事は10月22日の日本シリーズ第3戦(ソフトバンク-巨人)での担当が最後となった。スタジオでの仕事は11月25日の「岩本勉のまいどスポーツ」での出演を最後に12月から療養していた。

松島アナは12月3日のツイッターで「私少々体調を崩してしまいまして、お休みをいただいています。しっかり体のメンテナンスをして又放送マイクの前に戻ります」(原文)と報告していた。正月の箱根駅伝での復帰を目指していた。

通夜は27日午後6時30分から埼玉県川口市川口2・14・1「セレモニー川口ホール」で、葬儀は28日午前10時30分から同所で営まれる。喪主は妻・松島早苗さん。

東京・浜松町にある文化放送本社2階でも25日から一般向けの記帳台を設置する。