9月に大麻取締法違反容疑(所持)で逮捕、起訴された俳優伊勢谷友介被告(44)の初公判(村田千香子裁判長)が1日、東京地裁で開かれ、検察側は懲役1年を求刑した。

裁判後、伊勢谷被告は、自身が08年に発足し、翌09年に株式会社化して代表を務めた「REBIRTH PROJECT」(リバース・プロジェクト)の公式サイトに「今後の活動に関して」と題した文章を寄せた。同被告は冒頭で「このたびは、私、伊勢谷友介の身勝手な行動により、関係各所の皆様に多大なるご迷惑をおかけしておりますことを、心から深くおわび申し上げます。誠に申し訳ございません」と謝罪した。

その上で「株式会社リバースプロジェクト、株式会社リバースプロジェクトストア、一般社団法人リバースプロジェクトの全グループの代表として、これまで活動を支え続けてくださった、お客さま、お取引先さま、関係者の皆さまに向けて、各事業の今後の活動についてご報告させていただきます」として、以下の発表をした。

「まず私、伊勢谷友介と株式会社リバースプロジェクトにつきましては、信頼回復を最優先と考え、活動を自粛いたします。株式会社リバースプロジェクトの掲げてきた理念や志は、株式会社リバースプロジェクトストア及び一般社団法人リバースプロジェクトが引き継ぎ、活動を継続・推進してまいります」

一般社団法人リバースプロジェクトは、伊勢谷被告が11年に東日本大震災の被災地支援のために立ち上げた組織で、株式会社リバースプロジェクトストアは同社の通販サイトだ。同被告は両社が、活動を自粛する株式会社リバースプロジェクトの事業を継承すると説明した。その上で、以下のようにつづった。

「また、全日本制服委員会の事業につきましては、同様に理念や志を引き継いでもらうべく、これまで当該を推進してきたメンバーに事業譲渡いたしました。本事件と各組織は一切関係がありませんこと、ご理解いただけますよう伏してお願い申し上げます。またそれぞれの事業内容にもぜひともご理解いただき、ご厚情を賜りますようお願い申し上げます」

全日本制服委員会は、伊勢谷被告が伊藤忠商事らと始めた、環境に配慮された「エシカル素材」で日本の制服を制作し、再資源化できるシステムを導入するために発足したプロジェクトだ。

伊勢谷被告は「改めまして、関係各所の皆様へ多大なるご迷惑をおかけしておりますことを、心からおわび申し上げます」と謝罪の言葉で締めた。

初公判には、リバースプロジェクトの大釜翼取締役が情状証人として出廷。「大学3年の12年にインターンで働き始め、新卒で別な会社に入社も、16年に転職しました。彼(伊勢谷被告)自身が何より社会を良くしたい、課題をどう解決するかを熱量を持って話していた。間違いなく社を引っ張っていた存在」と伊勢谷被告を評した。

その上で、大釜氏は「社のほとんどの取引が停止しました。まずは社としても(伊勢谷被告の逮捕で)迷惑をかけた関係者がたくさんおり、信頼回復が第一」と強調。伊勢谷被告に向けて「ここまで一緒にやってきた同志だと思っている。大学からお世話になっている一方で、非常に大きな影響を与えた事件に関しては許せない」と語った。そして「彼は反省し、信頼を回復していただける行動を取っていくと思う。どこかのタイミングで社会貢献活動をして欲しい」とも語った。伊勢谷被告は胸に刺さる言葉があったのか、何度もまばたきして、目をつぶって聞いていた。