日本映画製作者連盟(映連)は27日、20年の全国映画概況を発表した。

邦画では、アニメ映画「劇場版 鬼滅の刃 無限列車編」(外崎春雄監督)が、今年1月時点で興行収入(興収)365億5000万円を記録。10月16日の封切りから公開が続き、歴代最高興収記録を更新し続ける中、2位の「今日から俺は!! 劇場版」(福田雄一監督)の53億7000万円を約312億円、引き離した。洋画の興収1位は、米映画「スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け」の73億2000万円だった。

ただ、新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受けて、緊急事態宣言発出後の20年4月から約1カ月間、全国の映画館で休業を余儀なくされたことなどの影響は大きかった。興収、入場者数、公開本数いずれも過去最高を記録した19年の、いずれも半分程度と大きく下回った。邦画と洋画を合わせた興収総額は、2000の興収発表以降、最高となる2611億8000万円を記録した19年の54・9%の1432億8500万円にとどまった。入場者数も同年の1億9491万人の54・5%の1億613万7000人にとどまった。

公開本数は1017本で、8年連続で1000本超えをキープしたものの、19年の1278本から261本減った。内訳は、邦画が19年の689本から183本下回る506本。洋画は589本から78本減の511本だった。

ヒットの目安となる興収10億円以上の作品も、邦画は19年の40本の約半分となる21本にとどまった。大作の公開延期が相次いだ洋画は、19年の25本を大きく下回る4本しかなかった。

唯一、19年を上回ったのがスクリーン数で、19年の3583スクリーンから20年は3616スクリーンに増えた。