仲野太賀(28)が11日、東京・新宿ピカデリーで行われた主演映画「すばらしき世界」(西川美和監督)初日舞台あいさつで、隣に並ぶ役所広司(65)に熱い“ラブコール”を送った。
仲野は「今まで、僕は個人的な役者としての目標として、役所さんとご一緒することが本当に最大の目標でした。でも、今もそれは変わらない、また、いつかご一緒する…これが今でも僕の最大の目標です。尊敬しています」と役所に呼びかけ、頭を下げた。役所も「こちらこそ、また一緒に仕事したいなと思える俳優さんです。ありがとうございます」と再共演を約束した。
仲野は劇中で、役所演じる刑期を終えて出所した元殺人犯の三上正夫に密着取材する、小説家を志すディレクターの津乃田を演じ、撮影がない時も現場に足を運び、役所の演技を見続けたという。「周知の事実というか、皆さんが思っているとおり、役所さんは本当に偉大な俳優さんです。撮影がない時も、芝居を見させていただいた。ずっと隣にいて、同じ時間を過ごさせてもらいました」と語った。その上で、役所の目に刺激を受け、仲野自身も役と自分がシンクロする瞬間を味わったと語った。
「役所さんを見ていると、ずっと目の奥が、どこか寂しそう。なんでこんなに寂しそうなのか…役と(役所)の境目が、分からなくなった。きっと役を、ご自身の映し鏡のように向き合われている。役との深い対話だし、それ以上に純粋な思いやりが役にあると思った。お芝居して何度も胸が震える瞬間があったし、芝居じゃないところで、込みあがってくるものが何度もあって、制御が利かなくなるくらい感動することもあった。表情によって、自分の中で津乃田という役がドンドン大きくなっていった。自分と役がシンクロしていくのが分かる。今まで感じたことがなかった。」
06年に俳優デビューした仲野にとっては、西川美和監督(46)も憧れの存在だった。同年に映画「ゆれる」を見て、同監督の作品に出たいと強く願った。そして同監督が10年に演出したNHK BSのドラマ「太宰治短編小説集『駈込み訴え』」に脇役として出演。今回は、主演の役所と真っ向から向き合う役どころを堂々、演じた。仲野は「この作品が決まった時に、これまでお世話になった人の顔が浮かびました。かれこれ、15年ほどこの仕事をしているんですけど、それまでの経験や何かを背負いながら、自分の人生を切り開くつもりで臨みました」と感慨深げに語った。



