元乃木坂46で女優の深川麻衣(32)が、元SDN48で作家の大木亜希子氏(33)の小説を映画化した「人生に詰んだ元アイドルは、赤の他人のおっさんと住む選択をした」(穐山茉由監督、今秋公開)に主演することが16日、分かった。
深川は仕事なし、彼氏なしの元アイドル安希子、同居するササポンを井浦新(48)が演じる。
原作は、会社員だった大木氏が会社に行けなくなって休職し、1人暮らしのサラリーマンと定年退職まで期間限定で共同生活を送った実話を元に、19年に刊行した同名の実録私小説。実際に同居を勧めたのは姉だが、小説では同居を勧めたのは友人として描いている。同氏は「主人公のモデルは紛れもなく私です。しかし、あらゆる女性の分身として描いたキャラクターでもあります」と説明している。
深川は、自身も16年に乃木坂46を卒業した経歴を踏まえ「原作を読んだ時、結婚や仕事に対してもがいている安希子の姿にとても心を打たれました。元アイドルという境遇も同じなので、この作品で安希子を演じられることが、とてもうれしかったです」と主演を喜んだ。さらに「恋人でも、友達でもない、でも、いつもそこにいてくれるササポン。お互いに良い影響を与えながら、依存していない関係性は、とても理想的な関係性だと思います。普段、生きていると壁にぶつかったり、ちょっと心が疲れてしまったなという時は誰しもあると思いますが、そんなときこの映画が誰かの心をふっと軽くできたらいいなと願っています」と思いを語った。
大木氏は、映画化を刊行当初から希望していたという。「考えていましたが、多くの読者に知ってもらう必要があると思い、19年の発売当時からSNSでコツコツ発信を続けたところ、幾度もムーブメントが起こり『これはかなうかも…』と少しずつ予感しました。最終的に、理想の形で実現したと思います」と、映画化の実現を喜んだ。
深川の主演は「自信や葛藤がごちゃ混ぜになったこの演技が嫌みなくできる女優として」(関係者)製作側が満場一致で決めたという。大木氏は、自身が所属したSDN48と同じ、秋元康氏が総合プロデュースする乃木坂46出身の深川に主演が決まった時「第一報を聞いた瞬間、スッと視界が晴れるような『そうだ。この方しか、いない』と確信的気持ちが湧きました」と納得したという。「私がSDN48、深川さんは乃木坂46。所属した組織は異なるものの、少しだけ似た経験を持ち、お互いにシンパシーを感じることができたと思います」と続けた。「アイドル現役時代は面識がなく、深川さんの芝居を最初に拝見したのは、映画『愛がなんだ』でした。柔らかい雰囲気の中にも直感的な演技力がさえていて、とても多面的ですてきな俳優だと思いました」と、女優としての演技力に厚い信頼を寄せた。
物語のキーマンでもある、ササポンを演じた井浦は「ササポンという役は、演じた事のない役柄でしたので、どんなアプローチをしていこうかなとワクワクしました」と初挑戦の役どころだったと強調。「ササポンのすてきなセリフを、いかにすてきにならない様に、普通のおじさんでいるという事のさじ加減が難しくもありましたが、演じていて面白かったです」と振り返った。そして「どんな人にでも、無理をしながら、頑張らざるを得ない時があると思います。映画を見て、安希子にとっての“ササポン”の様な存在を、人じゃなくても、物や自然でもいいと思いますので、自分にとっての“何か”を見つけるきっかけになれたら幸いです」とコメントした。
穐山茉由監督は、ブランドのPRとしてファッション業界で働きながら、18年に映画監督としてデビュー。21年には脚本も務めた商業映画デビュー作「シノノメ色の週末」が日本映画批評家大賞で新人監督賞を受賞した。原作者、監督、そして主演女優が、みなセカンドキャリアの成功体験を持つのも映画の1つのポイントだ。深川は「自分らしさ、自分にとっての幸せとは何かを立ち返らせてくれる作品になっています。ぜひお楽しみください」とアピールした。
◆「人生に詰んだ元アイドルは、赤の他人のおっさんと住む選択をした」 安希子はある日の通勤途中、突然足が動かなくなる。メンタルが病み、仕事を辞め、大好きだった男も忘れられず、貯金も10万円を切ってしまう。そんな時、友人から勧められたのが、当時56歳で都内の一軒家で1人暮らしをするサラリーマン、通称ササポンとの、まさかの同居だった。貯金も底がつき、背に腹は代えられない、とスタートした不思議なおっさん・ササポンとの奇妙な同居生活の中で、仕事なし、彼氏なし、元アイドルの崖っぷちアラサー女子・安希子が徐々に日常を取り戻していく物語。累計3万部を突破し、21年には、コミカライズ「つんドル!~人生に詰んだ元アイドルの事情~」(全3巻)も発売された。



