【ロサンゼルス(米国)10日(日本時間11日)=村上幸将】ゴジラ生誕70周年記念映画「ゴジラ-1.0」が、12月1日に北米1500スクリーン超で公開するのを前にプレミアを開催し、映画製作者、ファンから熱烈な支持を受けた。
戦中、戦後を舞台にした日本的な物語が米国人に通じるか未知数だった上、製作・配給の東宝が創業91年で初めて自社で北米で配給したことも挑戦だったが、国産のエンタメ大作がハリウッドで通用することを証明。日本の映画、エンターテインメントに新たな地平を開いた。
上映が終わり、歓声と拍手が湧き起こる中、神木隆之介(30)とステージに立った山崎貴監督(59)は「すごく素晴らしい反応に、感無量」と言えば、神木も「拍手に泣きそうなくらい感動。皆さまがゴジラを愛するレベルが崇拝だと分かった」と熱っぽく語った。
一方で、人間ドラマが通じた手応えもあった。観客は中盤までゴジラが登場する度に拍手し、テーマが流れれば歓声を上げていたが、途中から神木演じる敷島浩一らゴジラと戦う人間に声援を送り出した。山崎監督は「ゴジラに銀座が襲われた場面以降、観客にゴジラに対する憎しみが生まれ、のめり込んでくれた感覚があった」と強調。19年のハリウッド版「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」のマイケル・ドハティ監督も「いろいろな感情が湧き出した。素晴らしい。続編、作らないの?」とリクエストした。
製作の東宝・市川南氏は「邦画の実写で、まだまだ成功作がない中、メジャー公開という挑戦。ゴジラという知名度があって出来たことだが、日本語で日本人が作った実写映画がどこまで成功できるか」と今回の挑戦の意義を強調。山崎監督も「日本で一生懸命、作るということが世界への扉を開くことなんだと思えた」と日本映画が世界に通用すると自信を深めた。
○…神木は、3日の公開から10日までの8日間で興行収入(興収)16億円を突破する大ヒットを記録しつつも、北米プレミアに際し「ゴジラ以外のところは、僕は不安がありました」と吐露した。東宝が持つIP(知的財産)であるゴジラは、04年11月に米ハリウッドの殿堂入りを果たすほどの人気キャラクターなだけに「皆さん、ゴジラが見たくて来ているけれどストーリー部分はキャスト全員、全力でやったわけですけど果たして、求められるか」と思っていたという。
この日の会場は、米国の監督、テレビ制作者の業界団体DGA(全米監督組合)の所有する劇場で、専門家も多い中、演技も評価された。「お話を頂いたのは28歳…覚悟が必要で死ぬ気で臨んだ作品。自分の芝居がゴジラの邪魔になっていなければいいと思って見ていた中で、歓声が上がった。こんな華々しく自分の携わった映画が公開されることはない。僕にとって特別な1日」と感激した。
◆「ゴジラ」シリーズの米国での配給実績
<1>2000年(平12)8月 日本で1999年(平11)12月公開の「ゴジラ2000(ミレニアム)」(大河原孝夫監督)を2111館で公開し、邦画実写の米興収歴代2位の1003万ドル。ソニーピクチャーズ配給。
<2>2004年(平16)5月 日本で1954年(昭29)11月公開の初代「ゴジラ」(本多猪四郎監督)を6館で公開。興収41万ドル。Rialto Pictures配給。
<3>2016年(平28)10月 日本で同年7月公開の「シン・ゴジラ」(庵野秀明総監督、樋口真嗣監督)を490館で公開。邦画実写の米興収歴代8位の191万ドル。FUNimation Entertainment配給。



