歌舞伎俳優尾上松緑(48)が、赤穂義士にまつわる講談を歌舞伎化した演目に12月、1月と2カ月連続で出演する。このほど都内で、取材会を行った。

「十二月大歌舞伎」(12月3~26日、東京・歌舞伎座)では「俵星玄蕃(たわらぼしげんば)」を、「壽初春大歌舞伎」(1月2~27日、同所)では「荒川十太夫」に出演する。両演目とも「忠臣蔵」で知られる赤穂義士にまつわる外伝もので、講談師で人間国宝の神田松鯉、神田伯山に協力を仰いだ。

初演の「俵星-」については「討ち入り当夜の話。年内最後の歌舞伎というお客さまもいらっしゃると思う。大団円で派手に見てもらえるものを」とし、昨年10月の初演に続く再演で、討ち入りの後日譚である「-十太夫」については「新年から心が温かくなる物語です」。近年、ドラマ、舞台などで「忠臣蔵」関連作品の放送、上演機会が減っているが「世の中全体がドライになっていますが、忠義、情愛、恩愛を提示したい」としている。

講談に親しんできた中で実現した歌舞伎化とあって、松緑は「ゆくゆくは他の人がやってみたいと思ってもらえるようにしたい。(講談と歌舞伎)ファンが行き合うきっかけになればと思っています」と話した。【小林千穂】