今年はミュージシャンの死去が相次いでいる。
10月以降だけでも、腸炎で療養していた谷村新司さん(74)が10月8日に死去。同18日にもんたよしのりさん(72)が大動脈解離で、同19日にはBUCK-TICKの櫻井敦司さん(57)が脳幹出血で相次いで亡くなった。さらに同月末には、がん療養中だったX JAPANのベーシストHEATHさん(55)が死去した。
11月には、9日に食道がんの療養中だった大橋純子さん(73)、12日にKANさん(61)がメッケル憩室がんで亡くなった。
まだまだこれからという方々ばかりで、日本の音楽の損失は計り知れない。
単にヒット曲があるというだけではない。みな、チャリティー活動にも積極的だった。
谷村さんは長年、小児がん征圧キャンペーン「生きる」に出演した。さらにカンボジア難民救済ソング「風は激しく」、国連教育科学文化機関(ユネスコ)のアンコール遺跡救済ソング「DREAMS COME TRUE」。そして阪神・淡路大震災チャリティーソング「メシアふたたび」など、数々のチャリティーソングを歌った。もちろん「サライ」もそうである。
神戸をこよなく愛したもんたさんは、阪神・淡路大震災で自ら救援物資を配り、チャリティーライブを数多く開催した。もんた&ブラザースとして「KOBE」という曲も発表した。
桜井さんもBUCK-TICKのボーカルとして、東日本大震災支援チャリティーライブを、震災2年後の13年3月11日に東京・日本青年館で開催した。あえて選んだ同会場はグループがメジャーデビューライブを行った場所で、実に25年4カ月ぶりだった。
HEATHさんもX JAPANとして、15年11月に宮城・石巻のライブハウスで、東日本大震災復興チャリティーライブを行った。X JAPANがライブハウスで公演を行うのは24年ぶりだった。
大橋さんは、07年3月にふるさとの北海道夕張市が財政破綻した際、すぐにチャリティーコンサートを行った。さらにチャリティー・カバー・アルバム「Terra」を7月に発売した。中島みゆきや松山千春ら北海道出身のアーティストの作品をカバーした。初めてカバーに挑戦したアルバムだった。
KANさんの代表曲「愛は勝つ」は、東日本大震災の被災者救済ソングとして、そして新型コロナウイルス感染症の医療従事者らの激励ソングとして、自身だけでなく多くのアーティストによって歌われた。「心配ないからね」と語り掛け、「最後に愛は勝つ」と激励した。
曲によってだけでなく、チャリティー活動でも、多くの方々を支えた。その献身に、心から感謝と敬意を表したい。【笹森文彦】



