柄本佑(39)が13日、東京・新宿ピカデリーで行われた主演映画「メモリィズ」(坂西未郁監督)公開記念舞台あいさつに登壇。世界的にヒットを続ける米映画「Michael/マイケル」と公開日が同じ前日12日ながら、客席を埋め尽くした観客に「たくさん入っていただいて、ありがとうございます。『マイケル』じゃなくてね。『メモリィズ』に来てくれて、ありがとうございます」と感謝した、

「メモリィズ」は、今作が初の長編作品となる坂西監督が、脚本も手がけたオリジナル作品。柄本は劇中で、イッセー尾形(74)が演じた足を骨折した義父・誠が回復するまで身の回りの世話をするため、九州の田舎町へやって来た雄太を演じた。家族の大切な記憶を象徴する詩織を、香椎由宇(39)が演じた。同監督は14日、北米を代表するトライベッカ映画祭でフィクション部門最優秀新人長編監督賞を日本人で初受賞した。

柄本と坂西監督は、主演俳優と監督という関係性のみならず、高校の先輩、後輩の間柄だ。柄本は「6つ下なんで、かぶっていないんですけど、高校が一緒で。独特な空気のある学校だったんで、見ていると似てるな? と。妻子からフィーリングが合った」と笑顔で振り返った。

上映時間は97分と、最近の映画では適度な尺だ。柄本は「最近、映画で2時間半とか、割と3時間弱が主流になってきているし、映画の中に、たくさんの出来事があったり、宇宙で闘ったりとかする作品が多い中で」と昨今の映画業界の状況に触れた。その上で「ささやかで、ふくよかな映画が生まれたのは僕の中では必然だと思って。人が求めてくれている確信があります」と、静かながら、作品への手応え、誇りをにじませる口ぶりで語った。

◆「メモリィズ」 雄太は。誠が営む昔ながらの写真館の仕事を手伝いながら、東京にいる妻ゆき(穂志もえか)と娘との間で、スマホで撮った映像を交わす。大きな事件は何も起こらないが、日々のささいな出来事と、その記録と記憶の連なりに、家族の人生という長い時間の存在が、静かに、鮮やかに浮かび上がってくる。坂西監督は、京都造形芸術大(現・京都芸術学)在学中に短編映画「すこしのあいだ」でISCA最優秀作品賞、「夜のこと」で最優秀学科賞を受賞。卒業後は石井裕也監督の助監督や土井裕泰監督作のメイキングカメラマンを務めてきた。