イッセー尾形(74)が13日、東京・新宿ピカデリーで行われた、柄本佑(39)の主演映画「メモリィズ」(坂西未郁監督)公開記念舞台あいさつに登壇。横たわるように堂々と椅子に座る、5、6歳ころの写真を投稿した。

「メモリィズ」は、今作が初の長編作品となる坂西監督が、脚本も手がけたオリジナル作品。柄本は劇中で、イッセーが演じた足を骨折した義父・誠が回復するまで、経営する写真館の営業を含め、身の回りの世話をするため九州の田舎町へやって来た雄太を演じた。家族の大切な記憶を象徴する詩織を、香椎由宇(39)が演じた。同監督は14日、北米を代表するトライベッカ映画祭でフィクション部門最優秀新人長編監督賞を日本人で初受賞した。

記憶がテーマの作品にちなみ、登壇各位が、それぞれの写真を披露した。イッセーが「幾つかなぁ…5、6歳」とアウトラインを紹介すると、柄本は「しっかりしていますね」と驚いた。イッセーは「社長か? お前は! お前、将来、一人芝居やるぞ、アハハッツ」と写真に呼びかけた。さらに「別の言い方をすれば、何も考えていない」と自ら写真を評した。

イッセーは「すごくフレキシブルな監督。台本に書いてるのは、1、2行、あとは2人で膨らませて、みたいな感じで」と、坂西監督を評した。その上で「いい気になって文句を言った。(柄本と2人で演じた)レストランが高級すぎ。居心地、、悪かったね。それで2人が(家に)帰るでしょ? 得も言われぬ寂しさが湧いてきて、その中でだんだん、時間が過ぎてメモリーの1つになるんだろうな。という不思議な映画」と作品を評した。

舞台あいさつの最後には「昭和世代の代表として言うと、監督が今の時間を確実に映し撮ってくれた。僕の世代に、なかなかついていけないものはあったが、監督には大きなうねりが来ていると思う。インターナショナルであることも、分かった。これから大きな監督になる。その長編の第1作に出られたのは、うれしい。巨大な映画」とたたえた。

◆「メモリィズ」 雄太は。誠が営む昔ながらの写真館の仕事を手伝いながら、東京にいる妻ゆき(穂志もえか)と娘との間で、スマホで撮った映像を交わす。大きな事件は何も起こらないが、日々のささいな出来事と、その記録と記憶の連なりに、家族の人生という長い時間の存在が、静かに、鮮やかに浮かび上がってくる。坂西監督は、京都造形芸術大(現・京都芸術学)在学中に短編映画「すこしのあいだ」でISCA最優秀作品賞、「夜のこと」で最優秀学科賞を受賞。卒業後は石井裕也監督の助監督や土井裕泰監督作のメイキングカメラマンを務めてきた。