TBS系「news23」は16日夜の放送で、今年3月に沖縄・名護市辺野古沖で船2隻が転覆し、修学旅行の平和学習活動に参加していて亡くなった同志社国際高(京都府)の武石知華さんの遺族から番組に寄せられたというコメントを報じた。コメントが記された書面をスタジオで示し、「修学旅行に行っていただけの妹がどうしてこんな姿で帰ってこなければならなかったのか、今でもまだ受け止め切れていない」とする知華さんの姉へのリモートインタビューの様子も放送。直接、遺族と話したというメインキャスターのフリーアナウンサー小川彩佳が、思いを訴えた。

この日は、船の転覆発生から3カ月。番組では、「今回の事故で改善すべき問題点をひとつひとつ解決していくことで、今後このような形で命を落とすことがない、有意義な研修旅行、修学旅行が遂行されるように。知華の死が無駄にならないようにすることで、娘への供養としていきたい」という内容のコメントを紹介。小川は「さきほど、私もご家族とお話をすることができました」と述べ、「武石さんは、泳ぎが得意なお子さんだったそうなんですね。だれかの助けがあったら助かったかもしれない、と無念さをにじませていらっしゃいました。ありがとう、ごめんね、が、もう伝えられない。命は取り返しのつかないものだと。そうした現実に向き合った、過酷な3カ月だったと」と口にした。

また、「一方で、ご家族は、報道やSNSの情報が広がっていく中で、武石さんが活動家などと事実に基づかない言葉で語られて、人物像がひとり歩きしていく苦しさにも向き合ってこられたそうなんですね」とも語り、「右とか左とかまったく関係なく、どちらかに加担するつもりもなく、どちらかを責めるつもりもない。ただ、事故に真摯(しんし)に向き合ってほしい。そうした言葉から、事故の真相を求めると同時に、武石さんのことを正しくまっすぐ受け止めてほしいと。その尊厳を懸命に守ろうとした切実な3カ月だったということが、伝わってまいりました」と述べた。

コーナーの最後には「平和教育について、武石さんのお姉さんはこのようにつづってくださいました」として、「私たちが求めているのは平和教育をなくすことではありません。子どもたちが安全に、偏った一方的な情報ではなく、さまざまな立場を知った上で、自分で考えられる教育であってほしいということです」「知華は平和を学びに行ったはずでした。それなのに命が守られない形で命を奪われて帰ってくることになってしまった。この矛盾を家族としてどうしても見過ごすことはできません」という遺族のコメントの言葉を紹介。小川は「さきほどお話をうかがったご家族は、だれも責任が取れないような環境下に子どもを巻き込まないでほしい。死んでしまうという事実に、もっと真剣に向き合ってほしい。こう、お話をされていました」と結んだ。

今回の問題をめぐっては、船の運航団体だけでなく、学校側の対応のずさんさも国会でたびたび取り上げられている。文科省は同志社国際の教育内容をめぐり、政治的活動を禁じる教育基本法に違反すると認定した。また、船を運航していた市民団体「ヘリ基地反対協議会」について、第11管区海上保安本部は3月、業務上過失致死傷などの疑いで家宅捜索しており、現在も捜査を進めている。