★昨年の自民党総裁選で首相・高市早苗は靖国神社参拝について「いついかなる立場であっても参拝を続ける」「英霊への尊崇の念を持って参拝を続ける」という強い立場を示してきた。また「外交問題にすべきではない」「国のために命を捧げた方々に哀悼の誠をささげるのは当然の行為であり、他国から批判される筋合いのものではない」と会見や候補者討論などで繰りかえし強く訴えてきた。ここまで聞けば終戦の日に参拝しない理屈はないと聞こえる。
★首相(総裁)就任後に周到な保険を掛ける。参拝の具体的な時期について「適切な時期に判断する」などの慎重な表現に後退し「8月15日に行くのか」などの問いに「具体的な参拝日程については言及を避ける」「状況を見ながら適切に判断する」とぼかした。この手法は首相の前任者・石破茂が前例となる「当選したからといって公約をその通りに実行するとはならない」「これまでも自民党は公約を守ったことはない」と予算委員会で答弁したことにつながる。真意は総裁選で新しい政策を掲げたところで党の部会や政調、総務会を経なければ、首相になったところで実現させることはできないということを言ったのだろうが、自民党史に禍根を残したといっていい。またそれをいつでも言い訳にできる逃げ道を示した石破の罪は大きい。それでいて石破は持論である防災省設置構想を目玉にしたものの、高市内閣で成立した防災庁は骨抜きになり、逆に高市政権は「国論を二分するような大胆な政策」と中身を言わず、国旗損壊罪、皇室典範改正、副首都法、防衛装備移転三原則の「5類型」を撤廃、国家情報局設置などを次々と成立させた。
★12日、首相の15日の終戦の日の靖国神社参拝を見送るという報道が一斉に流れた。産経新聞には「参拝すれば改善基調にある韓国との関係や、日米韓3カ国の連携に深刻な亀裂を生む恐れがあった。中国の強い反発も予想されたため、外交上の配慮が必要」と書かれているが、それは就任直後の「台湾有事発言」を言い放った後に様々なシーンで外交上の「悪化」が進み「失敗」したことを認めたに等しい。(K)※敬称略


