★先週、大手メディアは定期的に行われる世論調査を実施した。内閣支持率、政策評価など、政府与党にとっても、野党にとっても世論調査は一定の民意を測る重要なツールで、各社が行う調査の平均値を一定の民意の現在地を見るために重宝している政党関係者も多い。また党が独自に調査や候補者の当落予想なども調べる場合があるが、民意を測るという意味でうまくいく場合もあればそうでない結果になる場合もある。
★今月の8、9日に実施したFNN・産経合同世論調査は興味深い。内閣支持率は前月よりも微増、ほぼ横ばいと言っていい。元来高市内閣の支持率は就任以来高いが18~29歳では81・8%、30代は76・4%と若い世代の支持が高い。ところが「女性天皇を認める」賛成78・1%、反対17・9%となっている。産経新聞を除くほぼ全紙が皇室典範改正に疑義を唱える中、同紙は7月26日の紙面で「国政選挙の結果という国民の総意からみれば、決して世論を二分するようなテーマではないのに、メディアの論調だけが、なぜか世論と真逆なのだ」と書いているが、同紙の調査はそうとは示していない。一方、今月1日、2日に実施したTBS系JNN世論調査では皇室典範改正に関する政府の説明が「十分」が21%、「不十分」と感じた人は65%にのぼる。十分だと思わないと答えた人を年代別に見ても18~29歳が46%と5割を切るものの、ほかの年代は軒並み不満を示している。
★設問の仕方の違いから並べての比較はし難いが、FNNの「女性天皇認める」の78・1は相当大きい数字と言える。自社メディアの論調に結果が比例する時代もあったが、最近はその違いは見受けにくく、取り上げた2社の結果だけでなくとも、世論調査は各社より精度の高いものを目指しているし対面調査にするなど工夫も多い。しかし調査に使う電話や携帯電話、世代別・男女別サンプルの取り方、設問など多様化した社会と世代間、男女間の価値観や考えの幅を考えれば大きな曲がり角に来ている。そもそも社会の雰囲気やトレンドは探れても世論と言えるだろうか。政治が国論を二分するような政策を繰り出す中、民意の反映とは何かが問われている。(K)※敬称略


