小林製薬は29日午後、「紅こうじ」を使った機能性表示食品のサプリメント摂取による死亡事例の調査状況を大阪市で開く記者会見で説明する。小林章浩社長が出席。遺族への聞き取りによって、サプリと死亡の因果関係がどの程度、明らかになるかが焦点だ。摂取と関連が疑われる死者は計4人となり、原因の解明が急務となっている。

小林製薬は、販売するサプリ「紅麹(べにこうじ)コレステヘルプ」を摂取した人に腎疾患などの症状が発生していると22日に発表。原因は不明で、想定と異なるカビ由来の成分といった可能性が指摘されている。

問題の公表後に健康被害の相談が多数寄せられた。厚生労働省の28日の発表によると、入院した人は93人で、小林製薬に寄せられた相談件数は約1万2千件。昨年4~12月に製造した原料に含まれていた可能性があるとして、分析を急いでいる。昨年9月以降に製造したサプリを摂取した人に被害が集中していた。

国の審査が必要ない機能性表示食品の信頼にも影響を与え、消費者庁は機能性表示の届け出をしている約1700事業者に、健康被害情報などを確認する質問状を送付。緊急点検を進めるなど影響が拡大している。

小林製薬は紅こうじ原料を企業に販売しており、全国各地で商品を自主回収する動きが続いている。(共同)